小紋染めのきもの、どんなきものも染の良さだけでなく、
使われている生地がどんな生地なのか?
ということが、たいへん重要です!
きものを選ぶ際に生地の見出しを確認することがとても大切です。
見出しにはこのような情報が示されています。
どこでだれに作られた生地なのか?
どのように織られているのか?
商品は保証されているのか?
スーパーで食料品などを購入する時と同じですね!
【久】の多くの染は『浜ちりめん』に染め上げています。
滋賀県長浜の『浜ちりめん』は、強くヨリをかけた横糸(強撚糸)を用い、
布を織るためにできるもので、そのヨリが戻ろうとすることで「シボ」ができます。
このシボ(さざ波のような生地上しわしわ「シボ」といいます)の高い重目の無地織物を
主体とします。
「一越ちりめん」「三越ちりめん」という種類があります。
【久】の小紋染めはこの「三越ちりめん」に染め上げます。
「三越ちりめん」は絹の光沢が増すとともに弾力性があるので、体になじみやすい布がで
きます。
また、「シボ」があることで、色に深みが出て落ち着いた高級感のある風合いに仕上がり
ます。
なめらかな絹に染められた、微細な文様の繰り広げる伝統美の世界を、ぜひお手にとって
味わって頂きたいと思います。
小紋の染めは「しごき染め」という方法で染められています。
しごき染めは裏まで染まることはなく、裏は生地の白色のままです。
そのため、単衣(ひとえ)や盛夏の駒絽(こまろ)などにお染めする際には「裏しごき」
といって、裏もお染めすることができます。
通常は表のお色の少し薄いお色を全体にお染めするのですが、裏にもこだわって小紋柄を
型付けすることができます
また、皆さんがよく御存じの『丹後ちりめん』も使用しています。
『丹後ちりめん』は平織地に文様を織り出した綸子などの紋織物を主体とします。
種類としては、シボの高い最高級の『一越ちりめん』、
『古代ちりめん』、縦糸横糸を撚糸の工程で変化させた『変わり織ちりめん』、絹の紡織
糸を使って織った『浜つむぎ』があります。
どの織のきものも生地が染の仕上がりを左右しますし、
きものを身につけた時の着心地の良さも違ってきます。
ぜひ、きものを選ぶときは、生地にも目を向けていただき、
もっとも、ご自分にふさわしいと思われるものを、選んでいただきたいと願っています。
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