2013年8月29日木曜日

自然とともに、わが地域を楽しく暮らそう

こんにちは!
南信州飯田市で、お米や野菜を作りながら、きもの小紋染めの工房を営んでいる
創作染工房【久】の中島です。

「地元学」というタイトルにひかれて購入した本
なんとなく買ってしまって、しまったな~と思っていましたが
読んでみて、びっくり~自分の中のスイッチが入りました。
きものの小紋染めのお仕事も、地元ならではの大きな役割があることは
分かっていましたが、事業としての生き方だけでいいのかな~と、少しずつ感じるように
なっていました。
地域資源としてのきもの小紋染めの在りかたが、これらを取り巻く南信州の自然が大きく関わって
成り立っているのでは?
きもの小紋染めが地元の資源の一つとして、地元の文化の伝承という役割には、若い力を必要としています。
やはり、地元の資源を積極的に拾い上げて、シェアしていくことで若者が今、求める暮らしがみえてくるのではないでしょうか。

写真の本「地元学からの出発」のサブタイトルには「この土地を生きた人の声に耳を傾ける」
とあります。さらに踏み込んで、地元の自然の声に耳を傾け、自分の生き方をもう一度見直して
観たいと思っています。


2013年8月27日火曜日

地元の歴史から学ぶ

おはようございます!

南信州飯田市できもの小紋染めを営んで2代目

創作染工房【久】の中島です。


父が東京の修行を終え、地元の飯田市で小紋染めの工場を始めて62年。

現在、ここ飯田下伊那地域には、その頃50件ほどあったきもの捺染業は、

現在、家を含めて2件となりました。


飯田市を中心とする伊那谷の歴史をふりかえる時、

養蚕と蚕糸業は忘れることができない産業です。

全国でも有数の生産地となり、その富は伊那谷をうるおし、

政治・経済・文化などあらゆる方面に影響を与えていました。

伊那谷の人々にとって、この産業は暮らしそのものであったともいえるほどです。


私が幼い時、学校の通学路には桑畑が広がり、

おやつ代わりに桑の実をほお張って

口の周りを紫色にしていたことを思い出します。

小学校では蚕を育て、一人一人が蚕の成長を観察し、

蚕の一生を学んだことなど、その時のお蚕様の柔らかく、

冷たい体の感触はいまでもしっかりと覚えています。


そんな蚕を『お蚕様』と呼んで、蚕玉をお祀りして、

大切にされていたことも思い出されます。




この南信州は絹を中心に栄えた文化が数多くあります。

その一つが茶の湯です。

「日本の衣」きものと縁は切れません。

きものを着ての所作や立ち振る舞、

きものとの付き合い方の法則のようなものが、

日本の文化に、教わることがたくさんあります。


誰でも経験があると思いますが、

若い時はどうしてか洋の文化に魅がちになります。

今、この年齢になって洋と和の違いが理解でき、

外の文化を自国の文化になじませて、

そこから新しいものを作り上げ、

これこそが日本の文化は洗練されてきたということを、

知ることができるのです。


今こそ、

養蚕と蚕糸業で伊那谷を富でうるおした

経済、文化に恩返しする気持ちで、

「日本の衣」きものと携わる一人として

南信州飯田市の文化を守っていくという使命が

課せられていると確信しています。

日本人の誇りを胸にきもの小紋染めを通して、

すばらしい日本の文化を次世代に語らなければと

私は強く思っています。

2013年8月13日火曜日

フルオーダーの小紋柄のきもの

こんにちは!
南信州飯田市できもの小紋染めの工房を営んでいる
創作染工房【久】です。

お客様より小紋のきもののご注文をいただきました。
来年、5、6月にお召しになる単衣ものです。

おきものをたくさんお持ちになっている方なので
今までは呉服屋さんのおすすめ品の中から選ばれていて、白生地から色柄をお選びいただくのが初めてとの事。

ですから、お客様自身の色を見つけるところから、お仕事をさせていただきました。
では、自分にとって心地よい色とはどんな色でしょうか?

きものを通して、日本人の日常の暮らし方、
日本の文化をあらゆる方向から研究なさっている中谷先生の御本を参考に

お客様自身のお色は緑!
「京の緑」を意識して、無数にある緑色の中から青朽葉色と決めました。

そして、白生地に浜ちりめん、お客様のご希望で見本の小紋柄からお選びいただき、
モダンなアート感覚の小紋柄に・・・
単衣物なので、生地裏の白羽が目立ちます。
両面染加工も大切な作業の一つです。

その時、私の頭の中ではその柄と色で小紋のきもののイメージを膨らませています。
こんな瞬間が最高です!!



2013年8月1日木曜日

きものでペアールックって楽しい!

こんばんは!
南信州飯田市は東の空が夕日で赤く染まっています。
夜になってようやく、すこし涼しくなりました。

先日、東京の業者さんから、男物のきものの染の依頼をいただきました。
麻の葉の小紋柄に矢羽の小紋柄をコラボさせ、太い縦縞が一本伸びた
モダンな小紋染めの加工をいたしました。

女性ものは浜ちりめんのはんなりした質感が魅力!
男性物は白大島に染めて、シャキッとしたマット感がいいですね!
きもののペアールック~なんでしょうか?

このきものに染めた小紋文様、麻の葉の文様には大切な意味が・・・

すべての葉っぱを天に向けていること
また、お互いが繋がりあって文様が成り立って、出来上がっていることです。
繋がる文様なので吉祥文様としても用いられています。

ここからは私の先生、中谷比佐子先生のお話とともにお伝えします。
すべての葉っぱを天に向けていること。
また、故人との繋がりを意識して不祝儀の時にも使うんですね
しかも一年中どの季節にも登場!
私は、不祝儀の時に着用するというのにはびっくりしました。

麻の葉文様の大麻は、何より90日で3メートルも伸び
しかも繊維を始め衣食住すべてに亘って活用できるので
昔の日本人にとって特別な思いがあったのかもしれませんね。

赤ちゃんの産着にもおしめにも大いに活躍でした。
長男の誕生の時は黄色の麻の葉のネルのきものでしたが・・・

今は赤ちゃんが最初にくるまれる布はバスタオルですね。
麻の葉おくるみや産着は、もう、見られなくなりました。