2012年4月16日月曜日

桜の花模様の打掛

昨日、テレビのBSチャンネルの番組で秋田の味噌、醤油製造の老舗に代々伝わる桜の花模様の打掛を桜の時期になると、お家の女性たちがみんなで、その打掛を広げて鑑賞するという内容のものでした。
打掛は先々代のおばあ様がこちらにお嫁入りする際に誂えたもので、実際にこの打掛を着ている結婚写真も残っています。
お店を守るためにお嫁入りに持ってきた着物を売ったりしたこともありましたが、この打掛だけは何としても残したいと、今日まで大事に保管されていたのです。
テレビの画面には5人の女性が並び、皆さんこの打掛で結婚式をされたと話されていました。
ひと月前にお嫁入りした女性がその打掛を実際に掛けられ、笑顔でポーズされていたことが印象に残ります。
世代を超えた女性たちが打掛によって繋がっている、そこにはそのお家に嫁いだことで先代から受け継ぐ思いを受け取り、また将来に伝えていくことの大切さを感じずにはいられません。
身につけることで体験できる、着物の素晴らしさを再発見いたしました。
私も実は長男のお嫁さんに嫁いですぐに二人で京都まで足を運び彼女に訪問着を誂えました。
家族として私がお嫁さんに伝えることができる何かが、着物ではないかと直観していたのだろうと感じずにはいられません。
思えばずっと昔から私の中にこのような思いがあったんだと思います。